「やくそくは、わかる?」


「うん。ゆびきりげんまんでしょ?」


「クスクス、うん。そうだね。」

かえでくんのわらったかお、

さくらちゃんとそっくりだ。


「じゃあ、

ぼくとゆびきりげんまんしよう。

かのんがおとなになったら、

ぼくがかのんに

プロポーズして、けっこんする。」


「うん!」

ぷろぽーずってなにかわからないけど…

かえでくんと

けっこんできるならうれしい!


わたしはこゆびをだした。

えっと、こっちがみぎかなぁ?


「かえでくん、ゆびきりしよ?」

わたしはみぎのこゆびを

かえでくんのまえまでもっていった。


そしたら、かえでくんはゆっくり、

かえでくんのこゆびをわたしのこゆびに

くっつけて、ゆびきりのてになった。


「かのん。おぼえてて。

かのんは、ぼくのおよめさんだから。」


「うん!わたし、かえでくんとしか

けっこんしないもん!」


「よし。じゃあ、やくそく。」


「ゆーびきった!」

しずかなねんちゅうぐみのきょうしつが

わたしのこえでいっぱいになった。





            ♯約束♯ end