〈現代②〉


 夕方、六時。

潤はケータイから母親に電話をかけた。

「あ、お母さん?あのさ、今ね友達の家にいて、夕飯ごちそうになって帰るから」

用件を簡潔に伝えると、遅く帰るお許しをもらってケータイをしまった。


「……これでいいの?」

「はい!」

重衡は爽やかすぎる笑顔で頷いた。

「今宵はパーティーじゃ!」

清盛がうきうきと宣言したため、この日は一族総出の夕ご飯となるらしい。

「あの~、本当にご飯よばれていいんでしょうか…?」

潤は重衡の母親に改めて尋ねてみた。

「いいのよ!うちは毎度こうなの。一門の親類が見つかるとその日の夕飯はお祝いになるのよ」

どうやら平野家にとって、いつものことらしい。

(じゃあ、兄弟の奥さんが発見されると毎回パーティーなのか…!)