〈現代⑤〉


 次の日、校内で何かと接触を試みようとする重衡を、潤は全て綺麗に避けた。

彼からメールも送られてきたが、全部無視。


「潤、平野くんと何かあったの?」

さすがに揚羽は気づいたらしい。

心配そうに友人を見つめる。

「別に…何も」

「じゃあ、何で潤と話したいってアタシにしつこく言ってくるんだ?彼は」


(うう…重衡さん、揚羽に狙いを変更したか…)


本人に直接がダメなら間接的に攻めようというつもりらしい。

「何でもない!大丈夫だから!ね?」

「本当…?」

カラ元気に見えてしょうがない、と揚羽の瞳が訴える。

「うん、ヘーキ。あ、今日は一緒に帰ろうね?ホームルーム終わったらさっさと」


(重衡さんに、捕まる前に)


昨日あんなことがあって、顔を合わせられるわけがない。