跪いて、Kiss -episode 0-

一体、何が起こったのか全然わかんない。



気付いた時には大興奮の親友達と苦笑いを浮かべる男の子達。そしてパッと視線をあげると…



「雪乃。…じゃなくって、……姫?」



「ひゃっ!」



俺サマさの欠片もない、キラキラ王子様モードの伊都サマ。



迂闊にもドキドキしてしまい、無意識のうちに全力で頷いて、ついうっかり彼の手を両手でガシッと掴んでいたあたしは、バッと手を離すと一気に赤くなった顔を両手で覆った。