跪いて、Kiss -episode 0-

「王子様、か」



「伊都。お前、一体なにを…」



「……よし。なってやろーじゃねーか!この俺が!んでもって、なにがなんでも、アイツの口からキスしてくれ!って言わせてやる!」



「「「「「「「へ?」」」」」」」



皆がキョトンとする中、突然、スッと床に跪き、少しだけ顔を上げ、あたしと目線を合わせる伊都サマ。



「お前、名前は?」



「へ?」



「なーまーえ!」



「しら、とり……白鳥、雪乃」



「白鳥雪乃、ね。へぇ…略して白雪、か。それで王子様とか言うんだからマジウケる。あっ、だから王子様にこだわってるとか!?」



「なっ!?」



瞬間、カッと赤くなるあたし目の前に、図星かよ!とケラケラ笑う伊都サマを反射的に殴りそうになったが、寸前のとこで堪えたあたしは、未だヘラヘラする伊都サマをキッと睨み付けた。