「あー、風邪こじらしたらしいよ。
油断して夏布団で寝てたって、メールあった。
一緒にお見舞いでも行っとく?」


うさぎは小首を傾げて、少し考えているようだ。

祥子は目を輝かせながら、その様子を見守っていた。
彼女には、野望がある。


(このカワイー生き物にゴスロリ着せて、連れ歩きてぇぇ…)


長く黒く艶やかな髪は、明らかにバージンヘア。
白い肌に映える紅い唇。

きっと似合う。
絶対似合う。
神秘的で愛らしい、人形のようになるはずだ。


「いや、やはりよそう。
妾がゆくとなると、景時も着いて来よう。
床に伏しておる嫁入り前の娘の部屋に男が入るのは、外聞も悪かろう。」


呆気なく野望は潰えた。