「菜々ちゃん、お疲れ様。
少し話をしたいんだけど
いいかな?」
麻生さんは
そう言って更衣室の一角で
一枚の紙を見せてきた。
「今日、1日菜々ちゃんを見せてもらって
菜々ちゃんさえよかったら入店してもらいたいなって思うんだ。
接客を見てセンスあるなぁって思ったし
ビジュアルも良いし
ぜひ入店を考えてくれないかな?」
私はすぐにOKをだした。
ファミレスも辞めたくなかったし
彼氏とも遊びたかったし
週2回という条件をつけて
莉奈より少し時給が高い3500円。
これは保証時給といって
入店して1〜2ヵ月はこの少し高めの時給。
指名がとれなかったら
すぐに最低時給の2500円にまで時給がさがる。
アタシはビジュアルも普通だし
未経験だったし
なんでこんなに保証時給がもらえるのか
理解できなかった。
けれど、もちろん嬉しかった。
読者モデルをしてる莉奈よりも時給が高かったから。
そして
ファミレスの4時間分だったから。
これだけの時給をだしてもらえたんだから
なんとか指名とかとってお返しができたらいいなって思ってた。