凛香は、そういってもう一つの足を右肩に置こうとする。


「凛香・・・もう・・・」


正嗣が、凛香に“もういい”と伝えようとした時だった。



「やめろ!兄貴達をいじめるな!!」



空我が、凛香の足元にへばりつき、真っ赤な顔をしながら足を持ち上げようとしていた。


「やめろ!やめろ!」


そういって、足にまとわりつく空我。凛香は、そんな空我の首根っこを服の上から掴むと、そのまま持ち上げ、抱っこをするように抱える。



「空我は・・・関係ない・・・だから、そいつには・・・。」
「誰が、こいつに手を出すって言った?」


そういうと、凛香は緑涼の手から両足を下ろした。
そして、ポケットから饅頭を取り出すと、片手で包みをはがし、そのまま腕の中で暴れる空我の口に放り込む。

そして、空我を地面に降ろした。