緑涼と禮漸の頭に、何か黒い物がすごい勢いでぶつかっていた。その勢いが体中をめぐっていった緑涼と禮漸の身体は、必然的に地面に叩きつけられた。

緑涼が、ふらふらになりながらその物が飛んだ方向に視線を変えると、そこには見たことも無い履物が地面に刺さっている・・・


「そこまでにしてもらおうかのう・・・」


そこにいたのは、裸足で仁王立ちをする凛香だった。睨みつけながらも刀を持ち直そうとする緑涼。しかし、それに気づいた凛香は、緑涼の右手を思いっきり踏みつけた。


「誰だ・・・お前・・・。」
「私は凛香。この男と古くから付き合いがあってな・・・」
「はぁ?お前も人間か?」

「おぬしと同じ鬼じゃ。」

そういうと、凛香は足の力をさらに強める。あまりの力に、緑涼が左手で凛香の足を持って引き離そうとするが動かない。それを見た禮漸が、助けに行こうとするのだが・・・