しばらくすると、親父がコンビニの袋を下げて帰ってきた。
中にはナプキンと生理ショーツ。
わたしは親父を見上げる。
「もう買ってあったんだよ」
「そうか」
さらに袋の底をのぞくと赤飯のおにぎりが見えた。
「ありがと、お赤飯」
「ああ、お祝いだからな」
親父は少し照れたような顔をした。
「さっきは悪かったな。ひっぱたいたりして」
「うん」
わたしは親父の様子を伺う。
「じゅういち・・」
「ほら、早く食べろ」
二人の言葉が同時に響いた。
親父はバツが悪そうに黙り込み、わたしもそれ以上聞き出せなかった。


