こうなれば、もう仕方ない。
俺は覚悟を決め、美智子先生の心を締め上げた。
程なく彼女は気を失った。
(これでいい。こうすれば目を覚ました時には男は逃げ帰った後だ)
俺は台所に行き、包丁をつかむと男の後を追いかけた。
見失ったと思った男をコンビニで見つけたときには気分の高揚を押さえきれなかった。
あいかちゃんの身体から飛び出し、吸い寄せられるように美智子先生のところに来たのは偶然なんかじゃなくて、きっとこのためなんだと運命づけた。
俺は男の後を密かに付けながら、次第に間合いをつめていった。
暗闇に差し掛かったとき、男は振り向いた。
俺と目が合うと一瞬驚きの表情を見せたが、男はすぐに陰湿な笑みを浮かべた。
「早かったですね。ご一緒しましょうか」
「いや、そこの公園に行き先を変えないか?」
俺の提案を男はあっさり受け入れた。


