わたしのピンクの錠剤

 
金縛りが解けた途端、激しい痛みが襲ってきた。

あまりの激痛に声も出ない。


胸には包丁が突き刺さったまま。

抜こうとしたが、抜けない。


このまま死んじゃうと思った時、赤ちゃんがお腹を蹴った。



(ごめんね。バカなお母さんで・・)

赤ちゃんを道連れ・・、ひどい母親。



ダメ。

そんなこと、できない。


私は再び包丁に手を掛けた。

包丁をつかんだ右手を左手で押すように引き抜いた。

呼吸もできないほどに痛い。

引き抜いたと同時に血が噴き出した。



慌てて、左手で傷口を押さえたが、次第に意識が遠のいていった。