わたしのピンクの錠剤

 
私は達哉の顔を撫でた。

達哉の頬はまだ温かく、その茶色っぽい大きな瞳は私を睨んだままだった。

私は達哉の頬に私の頬をすり寄せた。



その瞬間、胸の中で何かが強く反発した。

(なっ、なに?)

胸の真ん中に熱い塊がある。



(こいつが達哉を殺したんだ)

私はそう確信した。

私に巣くったその熱い塊が、私を操って達哉を殺したとしか考えられなかった。


「哀哉、哀哉なんでしょ」


返事はない。

私は疲れ果てていた。



立ち上がろうとしたが、立ち上がる気力もなかった。

涙が止まらなくなった。



後から後から涙が止めどなく流れた。