「どうか切らないでください。お願いです。どうしても会いたくて、仙台からやってきたんです」

電話に出た女の人には正直に名前を伝えたが、容赦なく切られるところだった。

すんでの所で願いが届いたのか、少し話を聞いてもらえた。

だけど、達哉と替わってもらえないかと言っても何も答えてくれなかった。

それでも、会いたいという願いだけは叶えてもらえることになった。


病院名を告げ、病院の玄関で待っていた。



しばらくすると、それらしい白い車が少し離れたところに止まった。

運転席の女の人はじっと私を見つめているようだったが、なかなか降りてこない。

そのうち、その人は電話を掛けはじめた。


その車じゃなかったのかと、あきらめた頃にドアが開き、女の人が出てきた。