この本は・・・。お父様が集めた本? 私は悪魔族の本を開いた。 「・・・。」 驚愕。 中には付箋やマーカーでびっしり。付け足す文字も見える。 お父様は少しずつ調べていたの? それで準備万端と思って行ったら、まだ不備があったというの? 私は、お父様の見た世界が見たい。 「アレン。お前には俺がついてる。」 まだ百年チョイしか生きていないジロは胸を張って励ましてくる。 「うん。ありがと、ジロ。」 ジロの大きな手が私の頭をなでる。 栗色の髪が、少し乱れる。