FlowerRose


途端に起こる、女子達の黄色い声援


「速…」


カイのシュートは、速すぎてあたしには見えなかった


「マジ…?」

修人も見えなかったらしい


眉を八の字にしてカイを見ている


サッカー部が休憩に入ると、女子達がカイに向かって突進して行った

カイはそれを見事に交わし、あたしのトコロへ向かって来た



「見ててくれた?」

あの天使の微笑みを見せ、そう言った

「あ…うん」


あまりに突然の出来事で頷くしかなかった


「そちらは…お友達?」

そう言って修人を見た

「あっ…こっちはあたしの幼なっ…「彼氏ですけど」

あたしの肩を抱き寄せ、修人は言った

はあ!?

と思ったが、声には出していない


「…そう」

カイは少しも驚いた様子を見せず、「じゃあ、また」と言うと練習に戻って行った

「修人今の何?」

あたしが聞くと

「英子がアイツと仲いいのヤだったから…」

と言って先に教室に戻って行った


「変な修人…」

そう呟き、あたしも教室に戻った