キラリ

先生は少しの間、私を気遣うように見つめ、それからまた説明を続けた。



「進行性多発性歯状骨腫瘍は、骨の表面が
ちょうど、口の中に生えている歯のような形に隆起して、それが全身に広がっていく病気です。

最初に症状が現れた箇所を起点に、そこから広がっていきます。


輝姫さんは痩せている上に比較的見付けやすい部位から発症したので、早い段階で見付けられたのでしょう。


一般的な骨腫瘍、あるいは似たような病状の『骨肉腫』ですと、手足から症状が出るケースが多く痛みも伴いますが、この病気は体のどの部位からでも発症し、骨自体は全く痛みません。

ただ、その“歯”が周囲の筋肉などを傷付け、それで痛む場合はあります。

また、“歯”の先端から更に歯が生える事もあります」