キラリ

私たちの間を、雪まじりの冷たい風がサアッと吹き抜けた。


それが合図であったかのように、輝姫はその目を大きく見開いたまま無言で、カッターナイフを振り上げて私に襲い掛かって来た。


「!!」


怯えている暇さえ無かった。


雪がちらつく校庭を、私は全力で逃げ出した。


悲鳴も上げず後ろも振り返らず。


そんな事をする余力があるなら、その力を使ってとにかく1センチでも輝姫から離れたい

その一心で、ただひたすら走りに走った。