キラリ

翔太さんが

「うわあっ!」

と悲鳴を上げて後ずさった。


私たちの前に現れた「それ」は……。



オフホワイトのニットの上に、襟にファーが付いたピンクのショート丈のコートを羽織り、裾にレースが縫い付けられた黒いフレアースカートという可愛い格好をしているものの

額や目のまわり、顎などに、まるで歯のような突起を無数に生やした異形のもの。


そのものの手も、歯のような突起に覆われ

でこぼこした皮膚はところどころ、内出血でもしているように赤黒くなっていた。


背中まで伸びた黒い艶やかな髪。


充血した目だけが異様に大きく見開かれ、右手にはカッターナイフ。