後日、みんなで母のお見舞いに行った。 けどいつもの笑顔がない。そして全然喋らない。 (どうしたんだろう・・・) お母さんがボソっと何かを喋った。 「何?なんて言ったの?」『違う!お母さんもう一回!』 姉が私を押しのけて母の顔に耳を寄せた。 『・・・ァ・・・・ゥ・・・・・ァ・・・ッ・・・』 どうやら母は歌を歌っていたみたいだ。 歌は母の好きな男性アーティストの有名曲だった。