「…じゃぁ私先に帰るね」



ガタッと席から立ってカバンをかつぐ。




「じゃ…」




「あ、あぁ…」




二人の顔も見ずに教室から出ていった。






そして1人校舎から出て帰り道を歩いていく。





…拓海のバカ…。




バカバカバカ!




彼女ができたなんて聞いてないよ!




有紗が好きだったなんて知らないよ!







変な期待…させないでよ…。











膝から力が抜け落ちて、地面に尻をつく。




「拓海…。
もう、私の想いは本当に二度と届かないんだね…」




目から流れる涙が地面に垂れて、雨が降ったみたいな後が残る。




最後に、言いたかった。





私の想い…。











「拓海、ずっと大好きでした…」




いるはずもない、拓海に向けて、泣きながら微笑んだ。





これで…終わり。





これからは、もうただの幼なじみとして接する。







バイバイ、拓海。




バイバイ、私の…
















恋…。












END