一緒に帰るとは言ったけど…。 女子の視線が痛い…。 雅人と並んで歩くけど、雅人は喋らない。 まぁ、いつものことだけど。 家は近いし、沈黙の空間が嫌というわけでもない。 ただ、右手に意識がいきすぎて困る。 あたしの手を包む大きくてゴツゴツした手。 会話はないのに、思いが通じあっているような。 互いの熱が溶け合いそうな。 そんな感覚に陥る。