徐々に凛太郎の声が冷たくなってくる。 「別に何もないよ?ただ、午前中からずっと働いてて疲れたから休憩してただけで…。」 あたしは必死に嘘をついた。 「ふーん。じゃあ、さっきはあんなに走ってどこに行こうとしてたの?」 「そ、それは…」 グラウンドって答えればいいものの、残念なことに、屋上に行く方向と、グラウンドに行く方向は真逆。 よって、あたしが走っていた方向とグラウンドは真逆の方向。