空色通信

「あ、新聞屋かも」

チリンチリン

ベルを鳴らして止まった新聞屋を見て香奈は固る

「え・・・」

「すいません遅くなりました。新聞です」

固まる香奈を見て新聞屋は言った

「なんだ、アホ面のやつか」

それは、昨日電車で出会ったケイと呼ばれたムカツク男子だった

「なんで・・・あんたが・・・?」

「俺がバイトしてたらおかしいか」

ケイは挑発するように言うと無言で自転車を走らせた

「なんで会っちゃうの・・・」

香奈が現実を受け止められないでいると祖母がきて言う

「あら、圭くんね」

「ばーちゃん知ってるの!?」

「ええ、そりゃお隣さんだもの。って言っても田んぼを挟んでるから、かなり遠いお隣さんだけど。もう一人いたわね・・・そうそう、慎くん」

「ええええっ!!!」

開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだと香奈は後で思った