「斎藤さん、どういうのが良いか分からないです」



「ならば、試しに握ってみろ。そうすれば、手に馴染むモノが見つかるだろう」



斎藤さんに言われた通り、私は目の前の刀を一本ずつ握ってみた。



何回か試しているうちに手にしっくり馴染むモノを見つけた。



「これが良さそうだな…」



「良いのが見つかったか?」



「はい、これが良いかと」



私が選んだのは黒い鞘と鍔にに桜の模様が細工されたモノだった。



斎藤さんに渡すと、彼は小さく笑った。