夢なごり~君の声に呼ばれて~



「ありがとう」



竹刀を預けていた女の子はいきなりの私の行動に驚いたのか、唖然としていた。



女の子だけでなく、周りに居た野次馬までも。



パチパチッ。



ふと、後ろから拍手が聞こえた。



振り返ってみると、浅葱色の羽織を纏う青年が立っていた。



青年は中性的な顔立ちで、現代だったら、誰もが振り返る程の容姿をしていた。



浅葱色の羽織…、新選組か…。



って事は此処は幕末の京都か。