山崎さんが到着すると、私はすぐに布団に寝かされ、背中の血の滲みの原因を診られた。 誰もが背中に傷があると思っていた。 でも――。 「傷が…ない…」 山崎さんの言葉に皆驚き、私の背中を見た。 自分では分からないから言いようがないが、背中に痛みを感じるのに変わりはない。 傷がなくては治療のしようがないため、脱いでいた着物を正した。 そして、仰向けになると、皆の顔を見渡した。