「桜井、大丈夫か?」



私は斎藤さんに手渡された手ぬぐいで口を拭くと、原田さんを睨みつけた。



「何言ってんの、原田さん。私が土方さんを好きな訳――」



すると、脳裏に土方さんの姿が浮かんだ。



何で、土方さんの姿が浮かぶんだよ?



「あ、舞咲。今、土方さんの姿浮かんだでしょ?」



総司に言い当てられ、私は無意識に顔を赤らめた。



すると、そこにいた皆は驚いたように目を見開いていた。



「図星なのか、舞咲?」



平助は恐る恐る私に尋ねて来た。



私は頷くことしか出来なかった。