夢なごり~君の声に呼ばれて~



俺は自分の手に視線を移した。



そこにはアイツに振り払われた時に引っ掻かれたであろう跡が残っている。



「あれ、土方さん?どうしたんですか?雨の中に突っ立って…。馬鹿になったんですか?」



「総司!」



相変わらず一言多いな、コイツは…。



でも、コイツがまだ巡察の最中で良かった。



「総司。雨の中悪いが、桜井を探すのを手伝ってくれ」



「…舞咲に何かあったんですか?」



すると、総司のさっきまでの態度がガラリと変わった。



俺はさっきの事を総司に話した。