夢なごり~君の声に呼ばれて~

土方Side



「桜井ッ!!」



俺は雨の中を駆け出した桜井を追い掛けた。



女物の着物を着てるくせにアイツは足が速く、追い付けない。



いつの間にか、見失っていた。



「はぁ、はっ、くっ…」



俺は顔に張り付く濡れた髪を払い、周りを見渡すが、桜井の姿は無い。



何処に行ったんだよ…。



さっき、雷が鳴り出した途端にアイツの様子がおかしくなった。


何故だ?