夢なごり~君の声に呼ばれて~



それなのに、あの時の光景が頭から離れない。



『俺はこんなに君を愛してる。君もそうだろ、舞咲』



私はそんな事思ってない!



『君は俺のものだよ』



私に向かって、手が伸ばされた。



心臓が締め付けられる…。



呼吸が出来ない…。



誰か、誰か助けて…。



肩にその手が触れた。



「い、嫌ぁあ!」



私はその手を振り払い、雨の中を駆け出した。