と、そこで彼が足は止めないまま口を開いた。 「お前さ、名前は?」 「えっ、あ、ああ。私有末華奈。えーと、あなたは?」 とっさのことに答えてしまったけど大丈夫なんだろうか。 悪い人じゃなさそうでもあまり信用はできない。 なんてったってついさっき、小学生くらいの子供に銃口を向けられたのだから。 「俺は有栖川陽」 そんな私の不安とは裏腹に彼はあっさり自分の名を名乗った。