短編集~甘い恋~

―――体育祭


「春馬、サボっちゃダメだよ」
サボろうとしたら、莉子にみつかりテントへ強制連行された。
「春馬、何に出るの?」
「……借り物競走」
「誰も貸してくれないかもね(笑)」

笑い事じゃねーっつの。
俺に不向きすぎだろ…。

「借り物競走に出る人は招集場所に集まって下さい」

放送が流れると、莉子は俺の背中をバンッと叩き、
「いってこいっ」
と俺を見送った。

俺は招集場所へ向かいながら、1つ思った。

せめて、“いってらっしゃい”だろ。

と、小さなことを。