「うわっ!姉ちゃんなに玄関に座ってんの」

アイスを食べながら弟の隆<タカシ>がこちらを見ている。

「っるさい!」
「つか、姉ちゃん顔真っ赤。なに、恋でもしてんの?
姉ちゃんが恋かぁ~」

ケケッと笑って隆は階段を上っていった。

「え、うそ……」


恋……?



そんなわけない。
顔が真っ赤なのは、
珍しくあたしだけに向けられた、無邪気な笑顔と…


いつもと違う、あいつのせい。