「誰か死んだのかな?
まる…やまだったりして…」
と、言ったのはクラスで一番アホな男、
小黒剣(おぐろけん)だ。
辺りはしーんとした。
皆は目を見開く。
口を開けたのは、クラスの女王、
古城真白だった。
「はぁ?あんた何言ってんの?
希がたまたま休みなだけで、
まだ人が死んだともわかってないのに、勝手に決めつけんなよ!!!
あんた彼氏でしょ?!」
彼氏。
この小黒剣は丸山希の彼氏だ。
唯愛の脳はフル回転した。
今後のことを考えたら、
直感で「殺さなきゃ」って思った人は殺していかないと…。
唯愛は次のターゲットをきめた。
席を立ち、教室を出ようとする。
声をかけたのは真白の子分、井岡つぐみだった。
「唯愛?どこ行くの?
今教室出たら危ないでしょ?」
優しく言った。
唯愛は言い訳を見つける。
「さっきからトイレいきたくてw
ちょっといってくるね」
つぐみはまんまと嘘に引っかかった。
本当はトイレじゃない。
これから、トイレから教室に向かって
紫苑と純に電話をかける。
今電話をかけても誰にも怪しまれない。
教室にいる皆は他のクラスの子と電話して、「なにがあったの?」などと、話しているからだ。
すでに教室に先生はいない。
先生は屋上にいったからだ。
授業放棄。
これは唯愛の思ったとうりとなった。

