キッチンの上らへんに付いている収納スペースに、タオルがあった。
これを濡らして、持って行こう。そう思い手を伸ばす
…が、届かない。
可笑しい、背伸びしても届かないなんて…!
ギリギリまで背伸びをするが、あと数センチ足りない。
すると後ろから、手が伸びてきた。
バッと後ろを見ると、そこにはチョコを食わえた双子の片割れが。
「ん、と…どれでもいいの?」
私を囲むようにして手を伸ばして、目線だけ下におろし聞いてくる。
どれでもいいから、とりあえず頷く。
双子の片割れはタオルを取り出すと、はいと私に渡してきた。
それを反射的に受け取り、キッチンまで来た双子の片割れの手を掴んで逆の手で水を出す。
ジャアアア、という水音と共に手が綺麗になる。
水を止め、ボケッとしている男を無視してタオルで手を拭いてやる。
「うん、オッケー。タオル取ってくれてありがと」
私より幾らか背の高い彼を見上げ、昨日は見せなかった笑顔で言う。


