「もう!お兄ちゃんがずっと佑輔のこと聞いてくるから遅刻しちゃうじゃん!」



時計は10時半をとっくに過ぎていて



佑輔との待ち合わせの時間に間に合うか心配になってきた。



「未紗だって照れながらなんだかんだノロケてたくせに!」



あたしは抵抗したかったけどお兄ちゃんの言葉を無視した。



そして、必死にメイクをして、佑輔の前でしかしないヘアアレンジを頑張って施して



大好きなスカートとニットを着ると



「いってきます」と言って家から全力で走った。



外の世界は雲のないきれいな空でデートの日にぴったりの日だ。



今日は久しぶりのお出かけデートだし



佑輔といっぱい楽しんで、いっぱい話せますように。