言った瞬間、冷静な自分が戻ってきた。



どうしよう……



これじゃあ、今すぐ行かなくちゃいけない佑輔を困らせる。



「佑輔、あのっ」



弁解しようとしたあたしに待っていたのは



1秒触れるか触れないか分からないくらいの一瞬のキスだった。



そしてその後……耳元で



「すぐ戻るから」



と聞こえるか聞こえないかの声で囁いて



彼は再び出て行った。