1つの音もない沈黙した空気。 反対に空は太陽がギラギラと漲って(みなぎって)いてとても眩しい。 佑輔の部屋と外では10度以上差がありそうな勢いだ。 何か言葉を見つけて彼に声を掛けようと思うけど、 こんな時に限ってなんにも頭に浮かんでこない。 そして、一方の佑輔はもう佑輔の部屋に着いたにも関わらず、 手は繋いだまま離す様子はまったくない。 そんなあたし達は今、ソファーに座って何もしていない状態だ。 「ねえ、佑輔?」 この部屋に流れる沈黙した空気に反してあたしは佑輔に声をかけてみた。