「うー、ぐすっ……」 ぽたぽたと書いた手紙に涙が落ちる。 別れるって決めたのに なんでこんなに涙が出てくるんだろ。 佑輔が起きてしまう前に早くこの場から離れよう。 あたしは急いで自分の視界に入る範囲の私物をバッグの中に詰め込むと そのまま玄関に向かった。 そして靴を履いてドアを開けようとした瞬間、 あたしは佑輔の家から出ることができなかった。