だって限界って言われたって、



あたしの佑輔への気持ちは変わらないのだから。



「今、佑輔の家に向かってる。もう少しで着くから待ってて」



なんのために電話したのか、最終的には自分でもよく分からなくなっちゃったけど



あたしはそれだけ言うと、佑輔の言葉を待たずに終話ボタンを押した。



……自分の気持ちがいつの間にかこんな大きくなっていたなんて



佑輔と別れるまで全然気づかなかった。



でもどんなに佑輔に“重い”って思われてもあたしの今の気持ちを受け止めて欲しい。



久しぶりに会った黒田くんもあたしの背中を押してくれたんだから



今の自分ならきっと佑輔に伝えられる。



あたしは佑輔の住んでいるマンションに着くと、エレベーターに乗る時間も惜しくて



階段を駆け上がって、佑輔の家の前で息を整えるとドアチャイムに手を掛けた。