「ねー、今暇なの?」



そう聞いてくる彼は、高校の時より5センチくらい高くなったように見えて



前よりももっとかっこよくなったように見えた。



そんな彼に思わず、あたしはドキっとしてしまった。



「うん……まぁ」



ただプラプラ歩いてただけだしね。



でもどっかあんまり一緒に行く気分じゃないんだよね。



本当だったら佑輔の部屋に行って一緒に過ごしてただろうにな。



今は黒田くんと話しているのに……



頭の中はやっぱり佑輔のことだけ。



あの最後の電話……電話越しででも泣きすがるべきだったのかな?