「ゆ……すけ」



会いたいよ。



ぎゅってして欲しいよ。



でもそんな願いさえもう叶わない。



だってあたしが佑輔の手を離しちゃったんだもん。



今日から夏休みで気分転換に外を歩いてみるけど……



こんな天気はカラッとしていて暑苦しいほどなのに



あたしの心の中はどんよりとした曇りと雨で全然晴れない。



「限界」って言われたらもうあたしからは何にもできないよ。



「ぐすっ……うー」



昨日から我慢していた涙が一気に堰を切ったかのように溢れてきて



あたしは人気も構わず泣きながら足の進む方へ無意識に歩き続けていた。