「あー目覚めた!なんか飲む?」
キッチンに向かってコーヒーの準備を始める佑輔。
その慣れた手つきもなんだかいつも見てるのにキッチンに立ってるとドキドキする。
あたしはじゅうたんの上にバッグとラッピングしたケーキを置いて、それらを隠すように座った。
「ううん、今日はすぐ帰るからいいや」
首を横に振って笑顔でそう言った。
今日来た理由はこれだけだったしね。
そう思いながら上手く出来上がったケーキを見つめていた。
「昨日からおかしいなと思ってたけど……今日バイトなの?」
怪訝そうな顔をしながら彼はあたしを見てきた。
「そういう訳じゃないけど……今日は帰る!」
だってあたしがいたら佑輔は休めないもん。

