「じゃあ、明日の午後に10分だけ会いに行くから待っててね!」
「なんで10分?まぁいいや。明日、気をつけて来いよ」
「はーい、おやすみ」
あたしは佑輔からのおやすみという言葉を聞いてから、電話を切った。
さっきの言葉がちょっと引っかかっていたけど
「ケーキ作らなくちゃ」
と頭を切り替えて、決めていたケーキを作り始めた。
ーーピーーー!
「あ、できたっ!!」
料理用のミトンを両手に付けて、ゆっくりオーブンを開けてみた。
外見は綺麗にできていて大丈夫そう。
竹串で真ん中刺してみても、中まで焼けてるみたいで生ではないようだった。
「後は冷やすだけだね」
ケーキが冷めるのを待ってから、慎重に落とさないように持って
冷蔵庫までゆっくり歩くとあらかじめ開けておいたスペースにケーキを置いて
冷蔵庫をパタンと閉めた。

