「会ってないよ。バイトからまっすぐ帰って来たもん」
スーパーに言ってケーキの足りない材料を買いに行ったのは内緒だけど。
あたしの答えがつまらなかったのか佑輔は「なーんだ、本当に何にもしてなかったのか」
と言って不服な様子。
佑輔はこんな夜に他の男の人と会っても気にしたりしないのかなって思って
一瞬さみしくなったけど一度考えだしたら深く考えてしまいそうな気がしたから
今はその気持ちを飲み込んだ。
「うん、今日は早く帰ってきたかったし……」
「そっか、明日は午前中は寝てるけど午後来れるなら来て」
明日、行ってもいいんだ。
佑輔は疲れているだろうからいつもみたいに長居するのはやめて渡しに行くだけにしよう。

