「さっきアンタにはあげたでしょ!」 直子がパシィッと玲ちゃんの手を叩いた。 「いだぁっ!直子の鬼!これでけがしたらどうしてくれるんだよ!」 玲ちゃんが大騒ぎする。なんか、三年ぶりだなぁ、この光景も。 「玲汰くん、演奏の続き始めるわよ」 先生が穏やかな微笑みを浮かべながら。 「へ~~い」 玲ちゃんは、だるそうにピアノに戻って行った。