すると、男子たちが騒がしくなってきた。
「お、風狐ちゃんが走るぞ!」
あー…あいつか。あいつこそ紅白リレーの選手に確実になると思うぞ。
しかし真希は浮かない顔をしていた。たまにチラッと俺の方を向いてはため息を履いていた。
なんだよ!
ピーっと笛がなった瞬間、真希は禁断の行動をおかした。
「………?!!!……1秒ジャスト…」
馬鹿!!!あいつ!!!俺だって適当に走ってあのタイムを出したのに!なに本気に走ってんだよ!!!
「あれって…オリンピック選手よりもはやくね?」
「てか瞬間移動せんかった…?」
「は?……目が追いつかんかった…」
などと口々に驚きを隠せないことを言っていた。
しかし、真希はやっぱり浮かない顔をしていた。俺をチラチラみながら。
だからなんだよ!!!
あぁ、もう!!
そう思いバッと立ち、手に集中した。
「我に時間を与えよ!!!」
そう言った瞬間、世界の時間は止まった

