「そう。じゃあ行こっか」 あたしは煩い蝉に、顔を歪めながら、一歩踏み出した。 太陽の光が全身にあたって、暑い。 隣の海里は、もうニッコニコで楽しそうだ。 今から行く海を思い浮かべているのだろう。 あたしは隣の海里を横目に見ながら、パタパタと生ぬるい風を送る。 あたしたちは駅に向かって、歩いていた。