お願い…。 お願いだから…いなくならないで…。 海里の温もりがあたしの体から無くなって。 あたしは海里を見上げた。 「ちょっと待ってろよ、千尋」 ぐしゃぐしゃ、とあたしの髪の毛を撫でて、最後にその大きい手のひらで、三回ぽんぽんとした。 「…わかった」 あたしはこくりと頷いた。 …大丈夫。 そう自分自身に、何度も呼び掛けた。